「初フライトレポート」 BY 古田さん (03/11/08)


♪出会い

 パラグライダーとの出会いはスイス、ベルナーオーバーラント地方のインターラーケンだった。その時、私は一人でスイスを旅行中で、公園を散歩していると偶然スパイラルをしながら降下するパラグライダーを見つけた。ユングフラウという山を背景に颯爽と降り立つパイロットの姿は、私にパラグライダーという存在を強烈に印象付けた。

 「ええなぁ、俺も飛びたい。」 小さいころからの夢だった飛行機のパイロットにはなれなかったが、別の形で空を自由に飛べるという夢を実現できそうな気がした。

 

♪入校・初フライト

 パラグライダーとの出会いから1年半の時を経て、知らんまに(?)TAKパラグライダースクールに入校した。

 初夏に入校したので、グリーンパークでの練習は大変やったけど、練習8日目にしてようやく初フライトができることとなった。 先輩パイロットの初フライトレポートを見ると、どうやらハーネスに座れないこと多いらしい。福本さんによるとジーパンはハーネス上で滑りにくく駄目だそうなのでチノパンでスクールに参上。(福本さん、濱口さん、初フライトレポート参考になりました。)

 その日の朝一番にノンちゃんさんにレスキューパラシュートをハーネスにセットしてもらった後に、ハーネスへの正しい座り方と座ってからのグライダーの操縦方法を教えてもらった。そしてグリーンパークでの最後のグライダー立ち上げ練習の後に、正一郎さんに飛行コースの説明と注意事項を伝授される、と同時にハーネスの座り方手順をチェックしてもらう。

「まぁ、何とかなるでしょう」 という心強いお墨付きをもらって喜んでいると、 「シミュレーターと飛んだ時はちがうからねぇ〜」 と言われ、へこむ。

 テイクオフに向かう車に乗って、紅葉の中を自分が飛んでいる姿をイメージしてモチベーションを高めようと試みるのだが、どうしても山に突っ込み木の上に吊り下がっている姿を想像してしまう。どうやら初フライトの緊張のために消極的になっているようだ。しかし、いざ正面テイクオフに向かうと北西風で飛ばせれない状況だと校長にいわれる。おまけに、ヘルメットと手袋を事務所前に置き忘れていることに気づく。初飛びで頭がいっぱいだったので忘れてしまっていたのだ。校長が無線で正一郎さんに私のヘルメットと手袋を持ってくるように頼んでくれた。(正一郎さん、パシらせてしまってすみません。)

 北西風はその後も吹き続け、校長が「私はあきらめません」と強く言ってくれたが、4時ごろになり「今日は無理やな」と思っていたら、私の思いは空へと届いて穏やかな西風に変わった。「古田さん初飛びできるで〜」と正一郎さんの無線が入り、先輩パイロット達と共に西テイクオフに向かった。

「古田さん、風がいいからすぐに用意して!」との正一郎さんの指示の下、心臓をばくばくいわせながら準備をする。そして・・・、正一郎さんに放り投げられるようにテイクオフ。少しだけハンマー投げのハンマーの気分を味わった(汗)。

 数秒後、ハーネスに座って前を見ると目の前はほんのり紅葉づいた山々が広がっていた。キャノピーを風を切る音と自分だけの空の世界。これをどのくらい夢見たのだろう?さらに周辺を見渡して見ると、岩屋山周辺を飛んでいるのが私のみだと知って感激した。校長先生からの指示により尾根を行ったり来たりしている間に、ランディングのターゲットを発見。高度が高くてよく分らなかったが先輩パイロットが集まって、私の飛行を見守ってくれているようだった。

 高度が徐々に下がってきたので、少しでも早く通常飛行コースを覚えようとしてキョロキョロしていると、校長から無線が入りランディングのターゲットを見るように指示が飛ぶ。初飛行やねんから飛ぶことに集中せなと反省。ターゲットを見ると多くの先輩パイロットがギャラリーとして私の初飛行を彩ってくれた。

 校長の指示に従ってベースターン、ファイナルターンを行う。ちょっとファイナルターンが早かったようで、10度ほど右旋回。その時「ターゲット狙ってみよう」と魅惑的な無線の指示が入り、フラフラしながらターゲットを狙う。すると・・・ずざざざぁ〜と激しい音を立てながらランディング。ターゲットを狙うのに夢中になってランディング姿勢をとらなかったので、こけてしまったのだ。

 見事!?ターゲットにランディングすることができたが、多くの先輩パイロットに見守られながらだったのでかなり恥ずかしかった。しかし、ターゲット上で、校長を始め、多くの方々に祝福され、初フライト記念写真に収まると幸せ全開モードに!

 グライダーを畳むのを先輩パイロットに手伝っていただきながら、空を自由に飛ぶ夢をより一層実現するためにがんばろうと思った。もっともっと、パラグライダーにはまります!!

 最後になりましたが、初フライトをサポートし、見守ってくださった校長を始めとするすべての方々に感謝し、お礼申し上げます。これからもどうぞ宜しくご指導よろしくお願いします。

以上。



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