「初飛びしました」 BY 長尾 (02/10/14)


 10/14(日)の午後4:30頃、ついに初フライトの時はやってきた。

 この日は朝から山へ登っていたのだが、南テイクオフはちょいフォロー、山頂は強風で午前はそのまま下山。午後の山頂も強風は続き、先輩方のフライトを見学しつつも数時間が経っていた。そして「4時過ぎには風はおさまるからその時飛びましょう。」という長野さんの言葉通り風は穏やかになり初フライトに至った。

 思えば長かったものである。梅雨の終わり頃だったかに入校し、真夏のグリンパークを駆け抜け、草むらから出てくるのはカエルからイナゴ、コオロギへと変わっていった。潰れたカエルの匂いを嗅いだのも生涯初めてであった。

 さて本日の初フライトは三人。共に真夏のグリンパークを駆け抜けた仲間、小林氏、竹内氏、そして私。「こいつらはいつまでグリンパークで走ってるんだろう…。フライトする気があるんかいな?」と校長、ゆかさん、のんちゃん等などさぞ思ったことでしょう。

 というわけで買いましたよ、機体はPHERONの赤、バリバリの初級機。新品の赤はちょっと光沢掛かった様でカッコ良く、赤いモビルスーツを思い出させます。全て新品で揃えたので次のボーナスまではまともな生活は出来ないでしょうね。

 テイクオフサポートは校長。流れ作業のように皆バンバン飛び立って行くのでいつのまにか自分の番。頭の中は半分真っ白だったので校長の「ゆっくりね」という言葉も半分聞き流しのまま(悪い癖だ…)勢い良く立ち上げてしまった。失敗か?と思ったが機体は真上でちゃんと形になっていたので、「走れ!」という言葉と共にそのままGO!ドキドキものであったが、体は空中に浮いていた。「おお、浮いた!」失敗しそうだっただけに思わずにやける。

 さて空中。曲がれという指示が出たらうまく曲がれるかなぁ〜と思っていたが、風で右へと勝手にルート通りに流されて行くので初めのうちはボーっとしてました。そして初めて曲がれの指示が出たのは、「前にいる機体をよけろ!」というものであった。よけられました。良かった。

 そんなこんなでいつのまにかランディング。高度が下がるのって結構速い。事務所の方からターゲット着陸を目指していたのだが、急に失速。あれ?もしかして届かない?田んぼに着地。「やってしまった〜」と思っていると、遠くからは拍手の音。えっ?田んぼに落ちた事に拍手されてるの?と勘違いしつつも、「やばい、早く出ねば!」と思い、急いで機体をしぼってランディング場に向かった。その時に「あ、そうか初フライト成功(?)の拍手か」と全てを理解した。というわけで、皆さんの拍手に感動する余裕すらなかったのがホントのところですが、拍手して下さった方々、ありがとうございました!

 しかし、ついに空中散歩をしたのである。今はまだ散歩級のフライトしかできませんが、それでも空を飛ぶことは感動の嵐でした。今までやってきたスポーツは地表に束縛されていて、どうも心の中は満たされなかった気がするのです。というのもパラの存在をいつしか知り、空を冒険することはどんなに楽しいだろうと思うようになったからです。それでTAKの門を叩いたのですが、大正解ですね。率直な感想は、めちゃめちゃ面白かった!これに尽きます。

 締めは素晴らしい体験をさせて下さった校長に半ば強制的な…いや、感謝の意を込めての胴上げ! そして多くの方々からのご指導、サポート本当に有難うございました。これからもよろしくお願いします。

 その夜、初フライト組は本日の成功を祝い、酒を片手に語り合うのでした!


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