風がよければ‘初フライト’と言われた8月16日。朝起きると、空は快晴、風も穏やかで「ああ、今日は飛ぶのかな〜」と不安と期待とで複雑な気持ちだった。
スクールへ向かう途中も鳥のうOち(それも超特大)が降ってきて、ウンがついてるのやらついてないのやら・・・。更に複雑になった。朝のミ−ティング後、長野教員から‘しっかり練習するように!!’と言われ、気が引き締まった。
午前中は、言われたとおりグリーンパークにて、しっかり?練習した。午後からいきなりの通り雨。二人で「あ、今日は延期やなー」と内心微笑んでいた。が、3時30分ぐらいに空が明るくなり、雨がやんでしまった。すると、隣 の部屋から‘さあ、今からあがるぞ!’とやる気満々の校長の声が聞こえたと思った瞬間、私達の前に校長がいて、‘今日飛ぶか?’と聞かれた。一瞬、迷った が、意を決して飛ぶことにした。
西テイクオフに到着。すでに二人とも顔がこわばり、Y(由佳)は手が震え、E(絵美)は、足が震えていた。
二人で「生きて下で会おうね!」と約束して・・・・
Yがテイクオフ。
Y:‘走れ−!’と言われ、気が付いたら飛んでいた。というより浮いていました。浮いたと気づいた時には頭の中も飛んでしまっていたみたいで、ランディングして‘おめでとう’と言ってもらってから、飛べたんだと実感しました。飛んでいるときは、風の中にいる感じで、とても気持ちよかったのと、小さい時からの‘空を飛びたいという夢が叶って本当にうれしかったです。
E:Yちゃんの準備を手伝いながら、‘先にYちゃんが行ってくれてよかったー。’と小心者の私は思っていた。Yちゃんは無事にテイクオフし、余裕に思えるようなしっかりした声で無線に応答している。私もその無線の誘導に従いながら、イメージトレーニング。‘次は私の番だー、緊張は更に増し、体が自分のものでないような感じだった。
Eがテイクオフ
E:Yちゃんが無事にランディングしたのを聞いてホッ、としたのもつかの間、余韻に浸る間もなく、自分の番がきた。長野教員の誘導で安心して一歩を踏み出すことができていた。地上から足が離れ、‘あー、飛んでるー’と思ったのも一瞬、右手のあたりで何かが‘ブチッ’体がゆれた。それからは、無我夢中。このまま落ちてしまうのか、と不安が頭の中を駆けめぐった。無線からは、聞きなれた校長の声と長野教員の声、それだけを頼りにもがいていた。パニック状態だったためか、自分の周りだけが強風で曇り空にさえも思えた。パーッと視界が開けたと思ったら見慣れた校長の姿や、先にランディングしたYちゃんの姿、気づいたら地に足がついていた。何とか無事にランディング。‘ホッ’としたら涙がポロポロ・・・。
Y:‘風がよく、飛べますように!二人で初フライトが成功しますように’と思いつつ、無線を耳をダンボにして聞いてました。ランディング場からEちゃんのグライダーがなかなか見えず、不安でしたが無事にランディング。‘よかったー’とかけよると泣いていてビックリ!テイクオフ直後にアクシデントがあったと聞いて、本当に無事に降りてこれてよかったー。
初フライト後、スタッフの方のテイクオフを見に、一緒にあがった。雲海で夕日の沈んでいく空の中を気持ちよさそうに飛んでいる先輩方の姿を見て、私達も いつかは先輩方のように優雅に飛ぼうね!と誓いました。
校長先生をはじめ、ゆかさん、ノンちゃんさん、お世話になった皆様、本当にありがとうございました。これからも頑張りますので、ご指導、よろしくお願いします。
中村 由佳 山田 絵美