初フライトレポート by  佐藤 康弘 (01/08/18)


「さとう、テイクオフします!」

 無線を入れた。北テイクオフ、いよいよ初飛びなんである。ほんまにいよいよだ・・・。

 思い出せば、5月下旬「パラグライダーにチャレンジ2001-2002」を本屋でふと手にしたと ころから、パラへの道が始まったんである。 社会人3年目、気がつけば休日出勤当たり前の仕事一辺倒の人間になっていた僕は、このま まではイケん!新しいライフスタイルを作らねば!と何か新しいことを探していた。

 パラグライダーのある生活を想像してみる。WeekDayはバリバリ仕事、そしてWeekEndは空中散歩なんてカッコええのぅ・・・なんて妄想先行で、パラチャレの記事やホームページの雰囲気でTAKの門を叩くことに決めた。

 TAKに入ってから、週末の岩屋詣でが僕の生活の一部になった。大阪から岩屋までの丹波路は片道2時間半だが、道中の風景は都会では見られない季節感が味わえる。 そしてグリーンパークでの立ち上げ練習。1dayのときに校長に「まるでパラをやるために生まれてきたようですねぇ!」のお約束の言葉に気をよくして(実は僕で1万人目だった りする)、走って、浮かんで、転がって、汗のにおいと草の露。

 ライズアップがうまくい けばうれしくて、失敗すれば悔しくて。梅雨の練習の後は、雨と汗でぐちゃぐちゃになっ た体を、校長オススメの与布土温泉でリフレッシュ。夏の練習の休憩では、浄丸神社の滝 や東屋にてアイスクリームと校長の寒いギャグ(!?)でクールダウン。忘れもしない7/7 七夕にはヒコボシ・オリヒメよろしく、男子禁制を破って長野さんにしていただいた夢のようなタンデムフライト。そうそう、校長の手違い(粋な計らい!?)による佐藤ハーネス 連続替え玉事件なんてのもあったけ。

 そんなこんなで季節の移り変わりとともに、校長やスタッフの楽しくも熱い指導のもと、いつのまにか山飛びできるほどに仕上がっていたんである。 そして運命の8月18日、初フライトを迎えたんである。

 朝6:00から山頂の北テイクオフに上がったが、気流が不安定だったので、先輩らと長野 さんと長時間の風待ちとなった。待ち時間を利用して、長野さんによるミニ山沈講習 会が始まり、山沈したときの道具の使い方を簡単に教わった。このとき、妙なリアリティ が僕を襲い、そうや、ホンマにこれから飛ぶんやなぁと今更ながら思った。

 谷元さんの10年ぶりフライトや武岡さんのおしゃべり初フライトに立ち会ってたり、田淵さん、高木さん、金子さんら、同期の方々の初フライト体験を聞いて、耳年増のなんちゃってフライヤ ーになっていたが、一変に目が醒め、初フライトに向けて気を引き締めた。とはいえ、その 後、にわか雨に襲われるなど天気や風が不順で、長野さんの南テイクオフ整備のお手伝い をしたりして風待ちは続いた。

 お手伝い後の休憩中、早起きの疲れから気が緩み始め、南テイクオフに響き渡る(!?)金子さんのイビキが駄目押しとなって完全に緊張の糸が途切 れた。このとき午後2:00くらい。校長からの指示もあり、いったん下山して昼食とあいなった。そして2回目の山頂アタック。今度は北西の風が安定しているようだ。空には雨上が りの虹が出ていて、つぎつぎと飛び出していく先輩フライヤーの色とりどりのパラとあい まって非常にきれいだった。

 舞台は整った!時は来た!と気合を入れなおし、16:45、ついに僕の番となった。いつものように前傾姿勢で立ち上げ、斜面を駆け下りた...。

 「おおっ!飛んでるよ!」おもわず顔がにやけた。今までに味わったことのない感覚。

 ランディング目指してのぶっ飛びであるがはじめての空中散歩。思わず翼を見上げる。風をはらんで頼もしく空に映えている。その後、校長の誘導により、90度ターンや、360度旋回などをしたが、思った以上に曲がるのなんのって!驚きと喜びに浸ってるうちに、ラ ンディングの体勢に入るように誘導があり、いわれるがまま、無事ランディング。

 こうし て、僕の初フライトは終わった。 大阪に帰ってきてからも空でのあの感覚を思い出しては、一人、にやけてしまうんである。 あの感覚を味わうために、丹波パラ街道をこれからも行くんである。

 最後に、校長、長野さん、スタッフの方々、山飛びできるまでに仕上げていただき本当に ありがとうございました。これからもお世話になりますんでよろしくお願いします。


[ホームへ][クラブニュースへ]