何も無い空間に浮いている感覚?
今まで経験したことのない感覚に、名前が見つからない。海の中に似ているけど、海の中では全てが鈍ってしまう。ここでは、風を切る音、山の稜線、全てが鮮やかな事象。どうやら新しい感覚を手に入れたようだ。とにかくそれは思わず声を出して笑いだしてしまうような感覚だった。
無線の声で我に返って、誘導に従う。「右旋回」「左旋回」。体重移動をしてブレークコードを引くと、ググーっと機体が回っていく。すげぇー。こんなに操作性の良い道具だったのか。素人がやってこれだけ動くとは。
下を見るとえらく本物っぽい地図?上を見ると青空を切り取る大きな機体。高度は下がっているはずなのに、地面と平行に風を切っているとしか思えない。
誘導を頼りに操作していると、事前に説明してもらった通りの三角形の田んぼ。その向こうにランディング場が見えてきた。
「もっと右ひいてください」グゥー。
「もっと引きなさい」グゥー。
「何でわかるんだろ?見えるんだろか?」と思った時、
急に地面が近づき始めた。雨の日にシミュレータで教わった事をイメージして無事ランディング。
感無量でした。1人の初心者を飛ばすのに沢山の方々に協力してもらい、みなさん本当にありがとうございました。
8月にグリーンパークで1day体験をし、根性のない私は、こんな暑いことやってれんと一服おいて、本格的にABコースで練習を開始したのは10月の頭だったと思います。
パラグライダーを始めて最初に驚いたのは、教育制度が大変充実していることです。これは大変ありがたいことです。今までいくつかのアウトドアスポーツに手を出してみましたが、取り敢えず見様見真似でやってみて、失敗しては考える というパターンが多かったと思います。ものによっては先人のノウハウがあまり共有されておらず、練習の指針さえ掴めない分野もありました。(ま、それはそ れでおもろいんですが。)
パラの場合は、マイルストーンを示してもらえ、一回一回のトライにコメントをつけてもらえ、とても学習効率が良いです。その上、先輩の方々が練習の援助までしてくれるとは、、、なんていたれりつくせり。しかし、これは他の分野よりも失敗に伴うダメージが大きいという事の裏返しだとも思うので、気を引き締めなくては、と思います。
また、誤解かもしれませんが、精神的にも技術的にも「待ち」の重要なスポーツだという感想を持ちました。刻々と変化する風を待ち。ライズアップでは、あせらずキャノピーが上がるのを待ち。「待ち」を楽しむというのも、また新たな経験です。
つらつら駄文になってしまいましたが、校長を始め教員、助教員の方々、諸先輩方、これからもよろしくお願い致します。