初飛びレポート by 松山賢五 (00/10/15)


 初飛び中、ほんの5分程度の時間だとは思いますが、いろんなことを考えたので、 その内容を「初飛びレポート」とさせていただきます。

 いつもの様のに前傾姿勢。
 いつもの様にライズアップ。
 いつもの様にダッシュ!! (TAKE OFFを見てくださる長野さんに飛び込むように。)
 いつもより簡単に離陸。(さすがボレロ!でも、ほんとは長野さんのマジックハンド ?)

 非力な雛をここまで面倒見てくださった皆様に感謝の一瞬でした。

 いろいろな乗り物がありますが、パラグライダーはそれらのどれとも似ていないように思いました。空を飛ぶ乗り物には、飛行機にしか乗ったことありませんが、パラグライダーとは全然違います。パラは、強いて言うなら、緩やかな坂を下る自転車の雰囲気を感じました。何にもせず、ただ座って周りの景色を楽しんでるだけ。かってにゆっくり転がっていてくれました。

 真横に山が見え、ゆっくりと流れていきます。ただそれだけで「鳥の視点」をわけてもらえた気分でした。

 TAKE OFF後しばらくは、ほんとに何にもせずのんびりあちこち眺めてました。下方遠くに家や田んぼが小さく見え、でも山は近くに感じる。自分が天使にでもなったみたい。

 「何で俺こんなとこ(空のド真ん中)におんねん?」 思わず自問自答。(答えは無い)

 ひとつ、どうしてもしたいことを思い出しました。グライダーを見上げるなんてグリーンパーク(練習場)ではできなかったので、自分のグライダーがどんなふうに自分を運んでくれているのか見たかったんです。上を見上げると白い大きな鳥が羽ばたきもせずゆっくりと大空を漂っていました。そして自分はそいつに紐をつけてぶらんこがわりにしてるアルプスの少女。なーーんてね。

 ふと、いったいどこに向かって飛んでるのか気になり始めました。LANDING場を一生懸命探したけどみつかんない。(ほんとは当たり前? 北TAKEOFFから何にも操縦してないんだから。)無線での指示で右に旋回して、ようやく皆さんがグライダーをたたんでる田んぼが見えて一安心。さらに校長から右に左に旋回の指示。

 「すげー!曲がる曲がる!!」これもまた、グリーンパークではこんなに深い旋回はしたことなかったので感動でした。360度旋回だってできちゃう。理屈では分かっているはずですが、タイヤもついてないし地上に何も繋がっていないものがどうして曲がっていくのか、わけわからなくなってきます。

 そして同時に「ショック!!」 体重移動ができてない。ひどいときは、左旋回なのに右に重心が残ってる。「なんでー!?」必死で体重移動を試みるが、だんだん全身の筋肉がプルプルしてくる。ちょうどそのころ、校長から体重移動のときの足の位置の指示が入る。

 「なんでばれたんかな?」 と校長のすごさに感動しつつ、その後努力はしたものの結局うまくいかない。

 パラとは、「入り口は広いけど奥は深いもの」と実感。気がつけばLANDINGは目の前で、地面がどんどん近づいてくる。知らぬ間に、さっきまでの旋回指示で高度処理できてたようです。でも近づけば近づくほどグリーンパークの着地のときような気がしてきて、いつものタイミングでフルブレイク。全く何の衝撃もなく軽やかにLANDINGできました。

 校長や長野さんのおかげで、人生に一度しかない初飛びをとても素晴らしい感動で一杯にできました。グリーンパークでお世話になった助教員や先輩方、皆様ほんとうに有り難うございました。また、いろいろ教えてください。


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