「初飛びレポート」 BY 小森 和彦 (99/12/26)


◇テークオフ◇

「OK,Go!」 1歩踏み出した。

機体は頭上にスッと止まってそのまま導かれる様に空中へ
眼下を流れていた木々が視界から消えた

「やったーテイクオフ成功だ!」

★エピソード1 少年時代

子供の頃、 童話で読んだ、空飛ぶ魔法のじゅうたん
親に買え!とせがんだら
「じゅうたん買っても、魔法が使えなきゃ飛べんだろ?」と
うまく納得させられてしまったが この事 ずっと心の奥に残ってたんだろうか?
そうでなきゃ 今、こんなところまで来てなかったと思う
でも ここへ来て じゅうたんと魔法の両方を手に入れることとなったのです

◇空中散歩◇

緊張が急速に解ける
回りを見渡すと 静かで、景色が動かず止まって見える
しかし、機体の風を切る音が 飛行を実感させてくれる
基礎練習の時は10秒ほどで地面に舞い戻り
宙に舞うと言う感覚が味わえずにいたが今は違う
「うーん、グライダーの事 ”滑空機”て漢字で書くけど ほんと空中を滑っているみたいだな」と
 変なことに感心しながら大箕山のアンテナ目指して滑り続けるのでした

★エピソード2 グリーンパークにて

基礎練習用のバーン、グリーンパーク
他の人みたいに 夏の灼熱のグリーンパークで地獄の練習に耐えて
きましたみたいな "美談" でも書こうかと考えたが えーと・・ないな・・・
心地よい秋空の下 風待ちの時は寝そべって流れる雲をながめて
昼休みだと言えば 藪そば食って昼寝して いー気持ち しかし!
1人また1人と 初飛びに連れていってもらう人の背中を見送り
いつも岩屋山に咲き乱れるパラの花を見上げながら
「おれだっていつか岩屋山で ひとパラ咲かせてやる!」と
灼熱の闘志を燃やしていたのです

「胸張ってGo、はなせ、走れ!」の基本動作から始まり
「手を挙げろ、金はださなくていい!」の操作法と続き
「OK! パラは君のためにあるようなもんだ!」(若い女性に連発する傾向が有り
バス1台分の人間に大量使用された事もあるらしい)で締めくくり
「松茸はちょっと まったけ!」に代表される(とにかく大量生産 伝言板参照)
まるで冷凍庫の隅に忘れてきたようなギャグでクールダウン
(すごすぎてついていけない)
このようにおそらく世界で唯一のスペシャルトレーニングプログラムでほかのスクール
を圧倒するほどの存在感をグリーンパークで見せつけた校長でありました。

◇ランデイング場上空◇

タンデムフライト時、長野さんに教えてもらった尾根越えのポイントで右90度ターン
すると無線に聞き慣れた校長の声が

校長:「景色を楽しんでくださーい」

じゃ、遠慮なく! で たぶんと思いながら振り向くとやっぱり!
時は夕暮れ 岩屋山の稜線上の夕日が最高にきれいでした
幾度となく通ってきた道があんな細く遠くまで延びている
今度は下のランデイング場を見てみる ありゃ!
あれほど(上記)の存在感で 大きく見えたはずの校長が 小さく点にしか 見えず
いかにこのエリアが でかいのか実感した瞬間でした。

★エピソード3 その時は駆け足でやってきた

機材もすべて揃い、そろそろ初フライト近しか?こうなったら足繁く通うか?
前の週、岩屋山は絶対雨だと予想して行かなかった が 大はずれで絶好調だった
次の日、ライバル横田からの「なんでこなかったの?初飛びおいていきますよ」の
挑発メールが、 校長からは、来なかった事への思いっきり突っ込みの伝言板!

 「くやし-------------!」

そこで 週末連続で通う事にしたが 今度は風悪しでタンデムボツ 帰り際、校長に
「明日来るのか?」と聞かれ 手持ちの現金が底をついてきたとも言えず

「いやーそのー」と 言ってると

「横田とかみんな 先週も来て腕あげてるぞ〜〜」と一言

 

「それを言うなちゅうーねん」

校長、横田、付き合い10日ぐらいなのに
 2人共 俺が 負けず嫌いで挑発に弱いということを見抜いて言ってるのか?

「えーい いったるでー!」 負けん気根性全開!

・・・しかし、次の日雨だった・・・

事務所に着くなり

正ちゃん:「小森さん、今日何して遊びましょ?バトミントン?プール?」

  小森:「・・タンデム!」(^o^ )/

  

正ちゃん:「・・・」(^_^;)

  小森:「・・・・帰る!」(:~_~:)

"明日どうしよ、行かずに先を越されてあの2人にまた1言言われるのもしゃくだし"

「えーい いったるでー!!」 負けん気根性またまた全開!!

往復のガソリン代すら危うい中、事務所へ 午前中TAK駅伝チームの応援 正午、

校長:「昼飯抜きでグリーンパークで練習だ」(昼抜き〜!?しかしひょっとして)

タンデムを期待して 基礎練習

校長:「タンデムの用意、いけたら初フライトだ」

やったーーーーー!!! しかし恐ろしいことに気づいた

今週はおそらくタンデムだけだと読んでいたが 大はずれ 何が起こるか
わからない これぞ TAKマジック? と言ってる場合じゃない
1つやり残していた 年間登録! 金がないので来週するか!にしたのが失敗のもとだった
タンデム後、校長にそう言ったら やっぱり
「今頃何言ってんだー☆&£%≒∂⊥∠・・・・(略)」と怒られた
でも登録費貸してくれた(教訓:すべきことは早めに!)

"奈良の鳥人見参!"と デビューを果たすつもりが

金も、スタミナも、気力も底をつき

"奈良の不調人散々!"な デビューとなり

ヘロヘロで岩屋山頂に這い上がったのでした。

「は〜、やっとここに来れた」

◇360度旋回◇

ランデイング場上空までやってきた。

校長:「左へそのまま360度ターン」

 

待ってました! グリーンパークではできなかった360度ターン
体重移動でターンに入る
景色が前山から始まってさっき振り返って見た夕日に燃える岩屋山が視界に
飛び込んでくる そしてそのまま 3回転  うー気持ちいい!!
こんな快感ここを飛ばなきゃ味わえないですよ 1日体験のみなさん!

やがてランデイング場が目前になりランデイングシーンを書こうかと思いましたがやめることにしました。
なぜなら もっと飛んでいたかったが正直な気持ちで こんな感動のフライトがこれから終わりなく
長く続けられるようにと願いをこめてあえて書きません。
テークオフで見送ってくれた正ちゃん、ランデイングで迎えてくれた校長有り難うございました。

なお、このレポートの続きは

★エピソード4 小森、ヒマラヤで酸欠になるまでの道のり (横田は減量の為同伴)

に続きます。

執筆中
[ホームへ] [クラブニュースへ]