今を遡ること3ヶ月。
会社の仲間とバス釣りに行った時の事でした。
帰りの車の中でパラグライダの話題になり、後輩が”パラグライダを一回やってみたい”と言い出したため、以前別の場所(伏せときます)で体験した事がある自分が”じゃぁ一緒に体験しに行こか”と自慢しげに言ったのが事の始まりでした。
ただ、その別の場所で体験をした事は確かなのですが、当日は人が多くひとつのパラに3人づつで、ごつい急な斜面から転げ落ちるように"落ちる"事2回(一緒に言った人の間では通称"ルパン走り"と呼んでますが)、"浮いた"のが1回というとても飛べたとは言いにくい内容でした。しかも、その3回しか出来ませんでした。
1回体験するだけで1万以上かかるし、後輩に”面白くない”って言われるのも辛い。そういう理由で、自分の目で体験風景を確かめてから決めようと以前青垣でパラグライダが飛んでいるのを見かけた青垣にバイクで走ることに。
青垣に近づくにつれ”パラグライダ、アリマス”らしき看板が道路脇に目立ちはじめる。”おぉあるある”と思いつつバイクで走ってると遠坂トンネルに抜ける交差点に来てしまい、引き返さなければと信号待ちをしていた時に”TAKパラグライダスクール”の文字が目に入り、看板に引き込まれるように事務所へと向かいました。
事務所前は閑散としており(皆さん山に向かった後と思われる)その時事務所におられた”てゆぅか”さんに”さぁ校長に会え会え、会って毒気にあてられろ”と半ば強引につれられグリーンパークに行くことに。
これが退路を断たれた瞬間でした・・・。'99/09/19の出来事です。
それから、後輩を差し置いてグリーンパークに向かう日が続きました。雨の日も風の日も、栗御飯の日も牡蠣フライの日も、練習(食べに)に行きました。グリーンパークから岩屋山を飛んでいるパラを見るたび”いつか飛んでやる”と心の中に誓う日が続くのでした。
道のりは長く、
ボレラーズの結成(半分うそ)、Kさんとの熾烈な競争(いつも運んで頂き有難うございます)、校長のギャグの対処。
そして15日目(ちゃんと数えてますよ)にそれはやってきました。
その日は朝から調子が悪く、立ち上げ失敗、ラインチェックミスと最近それほどしなかったミスを連発してしまい落ち込んでいた中、S兄弟(小・中学生?)が初飛びすると言う話がでて”あぁまた先を越されてしまった”とさらに落ち込んでいきました。
Kさんから「今日、タンデムするらしいで」との話が。いつもなら大喜びするはずなのに失敗が続いたため、落ち込んだままでした。
そして追い討ちのように「時間が無い、おいてくぞ」とスーパーで買った昼御飯も食べないまま山に上りました。(結局、昼飯は今も事務所に置き去りです)BONGOというタンデム機に世界を飛びまくる正ちゃんと乗ることになり、まずはコースを覚えることに。
おぉこれが飛んでるという感覚かぁ。足元を山が流れ、青垣が平野に見える。山頂から見た感じとまったく違う世界がそこにありました。飛んでいる間に正ちゃんから「これがピッチング」と機体を前後に揺らして見せてもらい、「そしてこれが・・・」と徐々に機体が横回転を始めたかと思いきや、ものすごい勢いでぐるんぐるん、Gがかかるわ、地面が真横に見えるわ、もう好きにしてという状態。でも面白かったです。
今日はいい体験できたと思いきや、長野さんから「今から初飛びするで、急いで準備しいや」。げげっ今から?急いで準備をし、また山に登ることに。
早速、手伝ってもらいTAKE OFFっと思いきやラインが絡んでいたらしくSTOP。
あかん、あせってる。調子が悪いのとあせっているのがWで来たので不安が込み上げてくる。そんな中、正ちゃんが”大丈夫、なんも心配いらんで”と声をかけてくれると、不思議と気分が楽になりました。そして再びTAKE OFF!。少し前に出たところで持ち上げられるように空へと向かうことが出来ました。
先ほどタンデムで飛んだので驚きはさほどありませんでしたが、1人で飛んでるという感動は沸いてきました。
そうこうしていると無線で指示が・・・。あれ無線が聞こえずらい!地上で無線チェックしたはずなのに。ヘルメットの中の風きり音が大きく、地上でチェックした音量では足りなかったのです。
まぁ、ランディング場所は確認できてるし、何もしなければ落ちることも無いだろうと楽観していると、今度はランディング場から校長の声が。聞きづらいけど何とか聞こえたので一安心。旋回しながら高度を落とし無事ランディング。
校長から「初飛びおめでとう」の声が。ううっ有難うございます。
とうとうこの日が迎えることが出来ました。長かったぁ。
後輩から飛んだらどんな気持ち?って聞かれたら、ちょっとかっこつけて”口では説明できんなぁ。飛んでみれば?”って言ってやろ。
それから・・・
グリーンパークでは先輩方に手伝って頂き本当に有難うございました。