「初飛びレポート」 松橋眞生、典子 (99/08/26)


 4月に京都に帰ってきた私たちはYahooで何気なく「パラグライダー」で検索したとあるHPから、兵庫県の北の方には何とか言うスクールがあってそこのボスはその昔ずいぶんとキレた冒険野郎だったらしいことを発見しました。(もちろん今は大変に温厚な指導者であられます)これはぜひとも見に行かねばと、夫婦そろって一日体験のゴールデンウィーク、月と一緒に丘に上り、校長にはげまされ本田さんに胸を引いてもらってビワーンとほんの数十メートル飛び降りたときには、もうはまっていたのでした。虫と戯れ、蛙と戯れ、太陽と戯れるグリーンパーク通いの日々が始まりました。

 私事になりますが、私の妻は美人で陽気で気立てが良く頭も良く、申し分の無い女性です。夫が言うのだから間違いありません。この妻に一つの弱点があることがわかったのは結婚後しばらくしてからのことでした。お腹がすいたときと、眠くなったときに機嫌が悪くなるのです。これにもうひとつの欠点が加わります。炎天下のグリーンパークの往復が重なると、疲れて機嫌が悪くなって弱気になるのです。そんなことは見越してか、校長は早々に妻をタンデムフライトにのせ、そのおかげでこれまで頑張ってこれたのだと思います。ちなみに、私のタンデムは「君は重いから怖いんだ」との理由で今のところ無期延期であります。

 さて、8月になって校長からメール、待ちに待った、長いこと待ちに待った黄色いBoleroが届きました。

 8月15日、京都は雨が降っていましたが、新しい機体見たさに一路青垣へ向かうと雨は上がっており、午前中はグリーンパークへ。「ん、おっ、ぐぐっ、ハイ手を離して、ぶわーん、簡単に揚がるじゃん、なかなか素直な機体だね」なんて偉そうなことを考えながら午前中は7往復でover。これで午後も練習したら、来週は山飛び行けるかな?と思っていると、初フライト行くぞーとの事、実は内心少し慌てました。
「えっ、レスキューまだ付けてないの?本田君呼んで!」
「無線機は準備してあるね。あ、だめだなイヤホンじゃ全然聞こえないよ。仕方ないなーこれ使って!」 「山の登録は済んでるね。」

 などと慌しく(他の人から見ればちんたらと)準備をして、車に乗り込みます。山頂は雨まじりの曇り。雨ぐもを二つほどやり過ごしながら方角やノーマルルート、グリーンパークでのライズアップとの違いなどを長野さんに教わります。でも、頭の中は、飛べるかな、飛べるかな、飛べるかな……。

 先輩の華麗なテイクオフ(と、スタ沈一回)を見ているうち、「そろそろビギナーも用意して。」少し前に初フライトを済ませた綾ちゃんが飛び立ち、山本さんの初飛び、中浦さんの初飛び、そして僕の番。機体を広げ、少し上の空でラインチェック、ベルトを確認、カラビナを確認、無線機を確認して「松橋、行きます!」ん、おっ、ぐぐっ、「やめてやめて、傾いてる!」 なんだぁやり直しかーと思っていると、「ハイ、思いっきり走って!」 え、いいの?

 実は優秀なBolero君は長野さんの魔法の手によって空中で立て直していたのだそうです。そのまま走って足もとが無くなったら空中へぴょーん。飛んでる、とんでるっ!

 いやーすごかったです。水平360°、そして足元は全面の視界。教わったとおりブレーキに軽くテンションをかけて(いるつもり)上を見ると、黄色い機体がぴんと張って空気を切り裂き飛んでいます。飛んでいるんですよ!校長の誘導で右に回ったり左に回ったり、あまり覚えていません。「もっとぐっとひいて、まだまだまだ、肘をおろしてっ」って言われていたような気がします。そしてランディング、思わずバンザイポーズ、無線で「松橋ランディングしました。有り難うございました」と、すまして連絡をいれたのです。妻は後から赤いSUNで降りてきました。二人そろっての初フライトを終わりました。

校長先生、岸本さん、長野さん、本田さん、永島さん、ゆかさん初めスクールのかたがた、暑く、忙しい中ご指導有り難うございました。これからもどんどん飛びます。

日曜と祝日しか来れませんが、宜しくお願いします。

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