私は二年前にパラグライダーを始め、現在パイロットコースで修業?している佐野です。会話で「〜てゆぅか。」と良く言うらしいので、正ちゃんや校長から「てゆぅか」と呼ばれてます。(声が高く、大きいのですぐ分かると思います)
今は、結構飛べていますが、ビギナーの頃は風の穏やかな時だけしか飛べませんでした。その時に、校長、正ちゃん、スタッフの方々からいろいろなアドバイスを聞きました。これから、NPコースで練習する人の参考になればと思い、これをまとめました。楽しいパラライフを...
なお、技術的な内容については校長やスタッフにお尋ねください。
NPコースでは岩屋山からの高高度フライトの練習になります。山飛びをする前にいくつかの事務手続きが必要です。
ABコースに入るときに、JHF(日本ハンググライダー連盟)の登録用紙を校長からもらっているはずです。もし、登録していないときは校長から用紙をもらい、すぐに登録してください。
岩屋山から高高度フライトをするためには、B証が必要です。申請については校長に聞いてください。
岩屋山でフライトするためには、岩屋山の年間登録が必要になりますので、道の駅で登録をしてください。なお、年間登録のお金はテイクオフの整備などに使用されています。
いよ、いよ、高高度飛行で大空を飛ぶわけですが、その前に以下の項目の確認を...
山飛びでは、グリーンパークで使用していた機材以外、以下のものが必要になります。機体を買って、『よし、これでOK!』と思っていると、それ以外にもいろいろな出費が... 始めに結構、お金がかかりますが、スキーなどに比べると、全体的なコストはとんとんかな?と、思っています。
キャノピー、ハーネス、ヘルメット、手袋
レスキューパラシュート、山沈セット、無線機
フライトブーツ、フライトスーツ、バリオ
空を飛んでいるときに、スタッフの誘導を聞くために必要で、重要な機材です。飛ぶ前に、操作方法の練習やグリーンパークで実際に無線機を付けて立ち上げの練習をしておくと、本番の時に安心できます。
飛んでいる最中に周波数が変わらないように必ずロックをかけてください。説明書を読んでもわからないときは、スタッフか先輩に聞きましょう!また、アマチュア無線を利用するためには「無線従事者免許証」と「開局申請」が必要ですので、取得しておいてください。開局するとコールサインが与えられます。
私が初飛びの時に注意されたのが、「ハーネスにちゃんと座る」、「体重移動」の2つです。その後、いろいろな人の初飛びを見ても、この2点を注意される人が結構多いみたいです。詳しくは、校長がパラワールドに連載していた「基礎講座」を見て、シミュレータにぶら下がって練習してみてください。
万が一、無線の誘導が聞こえないときもありますので、フライトコースを確認しておく必要があります。私はタンデムの時にコースを教えてもらいましたが、『飛んでいる!!』の印象が強く、正直言ってコースを完全に把握しきれませんでした。
通常飛行するルートを「ノーマルルート」と呼んでいますが、南のテイクオフから出たときと、西のテイクオフから出たときでは違いますので注意してください。
また、ランディングで他の人の飛行を見ることで、どのようなコースを飛べば良いかがわかると思います。でも、上級者は難しいコースを通ることがあるので、校長やスタッフがビギナーを誘導しているのが参考になると思います。
以上の準備がそろって、コンディションが良ければいよいよ初飛びです。テイクオフで、キャノピーを広げ、ラインチェック、無線機のチェック(「**テイクオフします。」の無線を入れる)、ハーネスの調整の確認(ベルトが緩んでいないか)、風を待つ。このときが一番緊張しました。校長やスタッフが付いていますので、安心して大空のフライトを楽しんでください。
私の時はコンディションが良くなく、2回キャンセルし、3回目に初飛びをしましたが、とても穏やかな飛行を楽しめました。ランディングも誘導通りでターゲット近くに降りられました。(自分の判断で降りるようになってからターゲットが遠くなりましたが...)
ランディングしたら、無線で「**無事ランディングしました。」の報告をして、ランディングの邪魔にならないところでキャノピーを畳みます。テイクオフの時間やフライト時間などをメモしておき、後で、スクールでもらったログブックにフライトログを記入しましょう。
初飛びの後、ベテランパイロットと比べると、飛べる回数ははっきり言って少ないです。ベテランは少しコンディションが荒くても、技術でカバーしてフライトしていますが、ビギナーのうちはいいコンディションの時に飛べるだけです。ちなみに私は始めの頃は月に6回行って平均5本でした。
でも、風待ちの時にいろいろ出来ることがあります。
・一定に吹いているときは問題ないのですが、ある周期で風が変わるときがあります。始めのうちは、スタッフに言われるままテイクオフしますが、そのうち自分で風の状況を判断する必要が出てきますので、どのようなタイミングでテイクオフするかをよく観察しましょう。
・上手な人のフロントやリバースでのテイクオフを見ることで、イメージをつかんでください。また、失敗したときはどこが悪かったかを確認することで、「何をしたらいけないか」がわかると思います。
・ランディングして機体をたたんだ後、時間があれば他の人のランディングを見ましょう。このとき、スタッフがビギナーを誘導しているときは、自分もそれと同じ動作をしてみると、空中より落ち着いて誘導を聞くことができます。
・風向きによって、ランディングアプローチが変わります。いろいろな状況でのランディングアプローチのイメージをつかみましょう。
・フライトが終わったら、スクールでもらったログブックにフライトログを記入しましょう。いくつかの項目を決めると書きやすいと思います。天候状況、うまく出来たこと、失敗したこと(多分これが多いと思いますが...)、注意されたこと、指導されたこと、テイクオフ、飛行ルート、ランディング、感想、などなど...
・シミュレータを活用しましょう。空中では地上の六割程度の思考しか働かないそうです。事前にシミュレータを使って以下のような練習をすると早く上達します。(その割に下手なのでは?と言われそうですが...)私も、飛んでいるときにコンディションが悪く緊張すると、思った通りの体重移動が出来ないときがありました。
・フライトポジションのチェック。フライトポジションが正しくないと、疲れるだけでなく、きれいな体重移動ができません。ポジションの確認は校長やスタッフに調整してもらってください。その時のベルトの位置を忘れないようにマジックなどでチェックしておいたほうがいいです。ハーネスのベルトは、よく緩みますのでこのとき最適な場所がわからなくなってしまいます。下で調整したハーネスを山頂で付けると、緩んでいることが結構あります。
・新しい靴を買ったとき、一定の期間履かないと自分の足にフィットしないのと同じで、ハーネスもシミュレータで座ることで自分の体に馴染んできます。時間があればハーネスにぶら下がって体重移動の練習!! 体重移動を極めるには2年かかる。と、正ちゃんに言われました。
・時間があれば、朝飛ぶ前にシミュレータにぶら下がりましょう。始めのうちはブッ飛びで7分ぐらいのフライトです。シミュレータにぶら下がり、イメージトレーニングをすることで、飛躍的に仮想フライト時間が延ばせます。また、ハーネスのベルトは緩みやすいので、常にチェックしてください。
・雨の時は、事務所内に飛行や気象に関する書籍、ビデオがありますので、活用してください。また、分からないことを色々と聞くことが出来るチャンスです!! 教わったことや自習したことを学習ノート(ジャポニカ?)にまとめましょう。NP証やP証を申請するときに必要になります。雨でも、事務所に行けば色々と面白いことが待ってます!!
・普段から、メモ帳と筆記用具を持ち歩いていましょう。テイクオフやランディングで聞いたことを忘れないうちにメモしましょう。
以上が、私がNPコースで経験したことです。これからNPコースで練習する人の参考になれば幸いです。また、このアドバイス集を後輩のためにも、より良いものにしていきたいと思っていますので、理解しにくい点や、追加したほうがいい内容などがありましたら、佐野に連絡してください。私の技術がもう少しアップしたら、ビギナーポイント集なども用意したいと思っています...
では、では...