テイクオフには正一郎さんがついてくれたのでむしろ安心して任せることができた。
不安や恐怖という心の要素はなく、ふわっと浮く心地よさに身を任せる。まさに鳥になった瞬間。
その後は好調先生の一緒に飛んでくれているかのような手にとるかのような分かりやすい誘導。
見ていてくれているという安心感があり、誘導通りにすれば大丈夫という信頼があった。
さすがにランディングは緊張した。
地面が近づいてくるのか、自分が地面に近づいているのかわからないような感覚。
地に足が着いた時には、急に現実に引き戻されたようで、楽しい時間はあっというま終わってしまった。
ランディング場ではみんなが拍手で迎えてくれて、うれしいけれど、はずかしい。
そんな初ソロフライトシーンの回想。
「なんでまた急にパラグライダーなんて?弓してなかったっけ?」 「弓もええけど、なんか空飛んでみたくなってねー。なんとなーくスクール探してみたら、丹波によさそうなところがあってね、いってみたら、スタッフも周りの方々もよくってね、始めてみたら楽しくってハマッてっるねん!」 空を飛んでみたいってけっこう誰でも思ったことがあるはず。なんとなくの思いつきで、10月に一度、友達とTAKに観光タンデムでお世話になる。
私はもうその1回で「これやってみよう!」って決めた。決めたら早い。
11月にはすぐに入校させていただき、グリーンパークでの練習と学科講習に勤しむ。
グリーンパークではノンチャン先生にニコニコ・シャキシャキみっちり指導していただき、スクールに帰ったらゆかさんの笑顔に癒され、長野先生にはタンデム講習を楽しませていただき、個性豊なスクールの方々に励まされ、休みのたびにこのスクールにおじゃまするのが楽しみになった。 「鳥でも飛んできて破られたらどうするの?」 「体重重くって飛ばんかったらどうするの?」 「ひも切れたらどうするの?」 「・・・・・」 「大丈夫、レスキュー落下傘あるから・・・」 「空もいいけど海もいいでー」
「空もいいけど陸もいい」
モデルの妹は休みになるとスキューバーダイビング、あちこちの海に潜って、宇宙よりも未知といわれている海のとりこになっている。定年して年中休日の父はバイクが趣味。中型のホンダCD250Uとかいう希少価値の高い(らしい?)バイクを乗り回している。(ただ人気がなく売れ行きが伸びずすぐに販売中止になっただけらしいけど) 「空が最高やって」
なんか家族3人バラバラ?でもまあ好きなことするのが一番よね。 仏壇の前で母に報告。『無事ソロフライトできました!』 ソロフライトだけれどもひとりで飛べたんじゃない。今までたくさんの方々の指導と励ましと応援があったから。感謝の気持ちでいっぱいです。これからもよろしくお願いします!! 西尾奈津子 |