車は息を切らせながら山道を登っていく。
車内には、校長・長野さん・青zuluさんと私。
和気あいあいとした和やかな会話が頭の上を通り過ぎている。
幾重にも重なり合う九十九折の山道は、カーブを切るたびに
ひとつ、またひとつと頂上へ向かってほどけていった。
そして、ひとつ、またひとつと緊張がたかまっていく。
木々は紅葉し、晩秋の柔らかな夕日が紅をいっそう引き立て
彩りがいっそうの鮮やかさを増す。
その美しさに目を向けるが心ここに無い。
「今年の紅葉はきれいだねぇ。下から見る紅葉はきれいだけど、上から見る紅葉はもっときれいだよねぇ。来年もコーヨー(来よう)っと。なんちって。」
「・・・・・・」