2005年四国三郎大会&リーグ戦優勝のコメント By 正一郎

四国三郎大会までに・・・

今年最初の朝霧大会以来、ワールドカップも含めて目立った成績は出なかった。
「もう限界なのか?」と思ったこともあった。
トレーニングの仕方やモチベーションについていろいろ考えて自分なりに答えを見つけようとした。
それでも低迷は続く。

そんなときでも親身になってアドバイスしてくれた半谷さんの言葉から変化が始まった(進化かな?)
「レース中のモチベーションが低い!本当に前に出たいのならもっと積極的に行かなければ!!」
レース中感じていた不安や恐怖感より強く思わなければならないもの。それを思い出した。

そして、スポーツトレーナーの岡先生と出会い、私生活の悩みからフィジカルトレーニング(基礎中の基礎かな!?)の方法などを学んだ。自分を知ること、自分を見つめなおすことがいかに大切かわかった。

8月には、親父の富士山フライトチャレンジで「成せば成る」というのを言葉でなく、行動で教えてもらった。

レースの前に行われた中村進さんとの合宿(キャンプ)で赤城山にある鍋割山に登り朝日を眺めて
「大自然が教えてくれるもの」というのを教わった(自分なりの解釈ですが)。

四国で優勝するためのシナリオは完璧!ここまでやって負けるわけにいかない!

 
 
 Photo by Yoshiyuki
第10回四国三郎大会(徳島県美馬市)

1997年、まだ大会で始めた頃に初めて優勝というのを経験した四国三郎の大会。

エリアの特徴は、東西に伸びる吉野川(四国三郎ともいう)の北側にある山並みを利用し、日本国内では四国か朝霧か、というぐらい大きなタスクを組むことができる。
山はそんなに高くなく、トップアウトすれば瀬戸内海や瀬戸大橋が見えて景色は雄大そのもの。

コンディションは、弱い北風が吹くと南に面した山(乱気流がおきやすい斜面側)に強烈なサーマルが発生し、それが東西に続く山のいたるところであるので、まるでヨーロッパアルプスのエリアを飛んでいるような条件を経験することができる。乱気流は危険な存在だが、場所を選んで飛べば危険は少なくなる。

初めて飛んだときは恐怖におびえていたが、年々翼の性能が良くなり安全性も確立されていっているので「ごっつい」危ないということはないような気がする。

レースのキーポイントは「コンバージェンスラインをいかに見極めるか」
東西の山並みには南北に抜ける谷があって午後から瀬戸内海からの北風が吹く。その風と吉野川沿いに吹く谷風がぶつかり上昇風帯を形成する。だから山側がいい場合と谷側がいい場合と二つ考えなければならない。また、センタリングしなくても10kmぐらい平気で飛んでいくので下手にまわさないでいい場合がある。

テクニカルなエリアだが、スピーディーなレース展開が得意なオレにはもってこいかな!?

2005年ファイナルタスク

今年最後のタスクは51kmで去年のような三頭山周辺を2往復でゴールへ向かうもの。

序盤戦では扇澤さんがリードし、距離を離されないようにするのが必死だった。

中盤で扇澤さんを抜かしてトップになったが、長島さん、大澤さんに抜きつ抜かれつの攻防戦!
オレは最初のスタートが少し遅く、ラインが悪かったために低かった。この高度差が後半まで引きずったままだったので終始焦って飛んでいた。いつもならば途中で高度を稼ぎなおしていくところをできるだけ削って最小限度の高度を維持していたので不安でいっぱいだった。ワンミスでアウト・・・

終盤戦でトップを奪回しこのままいける!と思ったが不死鳥のごとく扇澤さんが復活し、トップ争いに加わってすごいスピードで追い越していった。あのスピードには今のオレはついていけない。。。速すぎる。

うっかりコントロールの集中力がかけた瞬間「ズッバーン!!」と80%翼が潰れた!
「ヤバイ!」と思ったが、案外安定して回復した。ただ、この影響でさらに扇澤さんとの差が広がった。
それでもあきらめない姿勢。勝つことだけを信じて自分のベストを尽くす

三頭山に戻ってきて最後のターンポイントを取りに行くときに扇澤さんが取ったコースが沈み、オレが飛んだコースは沈まなかった。チャンス到来!一気にまくりにかかって、下がっていく扇澤さんを見ながらターンポイントを通過し、あとは長島さん、大澤さんとのトップ争いに勝てばいいだけになった。
三頭山からゴールまで10数km。対地高度900mでゴールまでたどり着く確信があったのでゴールへ向かった。
途中で振り返ったが、誰もいなかった


ゴール手前で再び80%翼が潰れた。
そのときは怖さよりゴールするタイムが遅くなる苛立ちのほうが強く、「ちくしょー!」と叫んだ。

午後12時40分ゴール
2位の長島さんとは3分6秒差をつけた。
ゴールした時の感想は「燃え尽きた、、、」

勝つために持っているものすべて出し尽くした。
なぜならば、応援してくれている方々がオレが勝つことを信じているからだ。

期待に応えることが感謝の気持ちであり、またそれが感動という言葉に変わっていく。
岡先生が教えてくれた、その通りになった。


最後に・・・


4年連続優勝、リーグ戦優勝という偉業を成し遂げられたのは応援してくれた方がいつも暖かく見守ってくれたからです。
自分だけの力では強くないし、むしろ弱くてつまらない男です。
みんながいるからこれからもずっとやっていこう、と思えるのです。
そして、感謝が感動にかわるように。。。

応援、ありがとうございました!

来年こそワールドカップで優勝するぞー!!!

2005年11月24日 只野正一郎
 

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